仕事ができる優秀な先輩・後輩・同期と比べられて不安を感じる。

「自分はいつも優秀な人と比べられる」「他者に自分の居場所を奪われそうでつらい」……こんな不安に駆られている方はいらっしゃいませんか?

 

技術が進歩し社会環境が目まぐるしく変化する中で、仕事に必要なスキル水準は上がり続け、コミュニケーションのとり方如何で能力や評価が測られるなど、私たちは常に不安と戦いながら働き続けているともいえます。

 

劣等感が生まれる背景と原因について

上司に呼ばれ、新しいプロジェクトに抜擢される同期、資格試験に合格し周囲から賞賛を受ける後輩、自分より先に出世していく同期や後輩・・・。そんな優秀な同僚を見て、「自分は・・・。」と肩身の狭い想いをしたことはありませんか?

他者と比較される自分、取り残される不安に駆り立てるものの正体…それは劣等感です。

例えば、優秀なきょうだいと常に比較され、いつも否定的な評価を受けて育った場合や、世間的に優秀な両親に育てられ、失敗すると責められるが上手くできてもほめられたことがない場合などの幼少期の体験から始まり、成長するにつれ他人の環境や所有物と比較したり、他者との競争による挫折感などから、自分は劣っていると思い込む負の連鎖から劣等感は形成されていくのです。

 

疎外感や孤独がもたらす劣等感の正体と種類について

精神医学者のカレン・ホーナイが、劣等感を“所属感の欠如”という言葉で説明したように、例えば、家族全員が背が高くスリムなのに、自分だけ背が低く太っていると感じて育った人は、家族からの疎外感や孤独を抱きやすくなります。

 

また、両親の間にはじめて生まれた子供(長男長女)は、親の愛情を一身に浴びて育てられますが、弟や妹ができると、これまで独り占めしていた親の愛情や関心を下の子に奪われることから、嫉妬やライバル意識が芽生え、劣等感を抱きやすくなります。

甘えたい時に甘えられない、頼りたいのに頼れないという状態が続くと、恐怖感や不安感から、極度の人見知りや、逆に初対面の人にでも過剰な親しみを示す、といった愛着障害を引き起こすこともあります。

 

このような悲しみや怒りの感情の蓄積はやがて、人を妬んだり、評価してくれない人を攻撃することで自己の優位性を保とうとする攻撃性劣等感や、劣等感を隠すために自慢話を続ける優越性劣等感、不幸話をして注意を引こうとする不幸強調性劣等感などを生みやすくなるのです。

 

劣等感を克服するためにすべきこととは?

前述の3つの劣等感は自己防衛本能からくるものですが、人によって劣等感の大きさに違いがあるのは、言い換えればもののとらえ方によって心の働きを変えられるということでもあります。

また、自分も叶えられるという希望を持っているからこそ、妬みの気持ちが生じるのだともいえます。劣等感は人一倍強い自尊心や自己愛の裏返しでもあります。劣等感を克服するためにはその原因を知り、他者と比べられているのではなく、自分の心の状態がそうさせていることに気づくこと、ありのままの自分を認めることが大切です。

心理学には「投影」という考え方があります。

相手に対する劣等感は、実は、自分が心の中で否定している「自分自身の嫌な部分」であり、自分の中の許せない部分を無意識に相手に投影している心の働きなのです。

 

否定するのではなく、自分の一面として受け入れることで、今まで気付かなかったことに気付けたり、劣等感を抱いてしまう理由に納得がいったりすることがあります。

ありのままの自分を受け入れたとき、肩の力が抜け、気持ちがふっと軽くなるでしょう。

しかし、幼少期から身につけてきた価値観や心のクセを書き換えていくのは容易なことではありません。

 

どうしても自分に自信がない、劣等感や孤独感を強く感じてしまう、ありのままの自分を受け入れることができない、という方は一度カウンセリングでお話しを聞かせてください。

あなたが劣等感から解放され、前向きな自分になれるよう、お手伝いします。